スカートしか履かない女が男の子に間違われ続けていた話

ごきげんよう、カタギリです。

 

書く書く詐欺をしていた文章をやっと書き始めました。

昔は個人ブログでよく書いていたのだけど、ついったの普及により140字しか書けない体になってしまったのでリハビリも兼ねて……。

特にそんな、見る人もいないと思うのだけど適当に書くので適当にお付き合いくださいね。

 

 

記念すべき第1号目の投稿です。

小学校以前のわたしを知らない人向け(?)です。

 

 

わたしは今、ズボンを3着しか持っていません。(※普段はズボンのことをパンツとちゃんと呼んでいます。現代人なので。だけど文章で読むとイントネーションがどうも伝わりづらくてパンティの方のパンツに思われかねないので便宜的にズボンと表記します。)

そのズボンも、デニムのスキニーが1着、デニムのショートパンツが1着、仕事用の麻っぽいやつが1着、それだけです。

掃除のたびにワードローブをひっくり返して、これはいらんな、これもいらんと繰り返しているうちにだんだんと減って、「女の人でも女らしく履ける」ようなズボンばかりが残りました。

それすら、普段の私服でも仕事でもほとんど活躍の場はありません。ときたま、どうしても体を動かさなければならないときによっこらせと重たい腰を上げて引っ張り出してあげるくらいです。

 

それほど、わたしは毎日毎日、暑い日も寒い日も風の日も雪の日も、スカートばかり履いています。

 

 

幼少期のわたしは、比較的女の子でした。

ちょっとお転婆な娘だったのでスカートでなくキュロットスカートを主に着用させられていましたが、おおむねかわいらしい服をよく好んで着ていたような記憶があります。

ただ、ものごころついた頃から(おそらく小学校に上がった頃から?)ズボンしか履かなくなり、髪の毛は常にショートカット、だんだん男の子のような格好が好きになりました。

決して同性が好きだったり男の子になりたかったわけではなく、女の子っぽいものに苦手意識を持つようになっていた気がします。理由はよく覚えてないです。けれども男の子に間違われるのはとてもいやでした。そんな格好しておいて何をとは思いますが……。

忘れもしない小学校3年生の頃に通っていた学童保育、当時苦手だったクソBBAスタッフに

「え!?あなた女なの!?」

と言われました。

それはそれはめちゃくちゃショックでした。

 

なんていうんだろう、「男の子みたい」「男の子かと思った!」とかじゃなくて、「女なの!?」って。

こう なんでしょうね 女であることを完全否定されたというか……「おまえみたいなのが女だなんて有り得ない」って烙印を押された気分になりました。あれはもうずっと忘れられないだろうな あのデリカシーを母親の腹の中に忘れてきた女マジで許さん覚えてろよ。

 

それでも相変わらず服装はメンズの服ばかり着て、幸い親もそれを全く否定しない(どころか肯定されたまである)人だったので、男の子に思われる日々は小6までずっと続きました。

ちなみにこの頃せめてもの抵抗?女らしさへのあこがれ?で、髪を伸ばしていましたが、なにぶんひどい癖毛なもので普通に荒れ野原って感じの髪の毛になってました。ショートの方が100倍マシ。

 

さて、わたしは中学校に上がります。

制服着用なので、おのずと毎日スカートを履きます。

そして、通りがかりの人にこう言われました。

「ほら、あのお姉ちゃんが……」

 

シチュエーションがどんなだったかは覚えていません。誰が言ったのか、どの会話の中なのかも忘れました。ただ、ひどく記憶に残っているのは「お姉ちゃん」という言葉でした。

(私、知らない人から見て女に思われてるのか……)とそのとき初めて、自分が「女」であることを人に教えてもらったような感覚でした。正直それは、ものすごく嬉しかったのです。男の子の格好を自ら望んでずっとしていたにも関わらず、結局自分が望んでいたのはそれだったのです。

そこからというもの、わたしはどうにかして可愛くなろうとあがきました。

ちなみに当時、私わりとイケてんじゃん?などと勘違いをしていたのですが、蓋を開けたらそこは左右非対称の奥二重で面長、眉毛ボサボサで小鼻は丸く唇の分厚い化物がいました。この時点で己の顔の造作のひどさに愕然とするのですがその話はまた今度にします。

 

この頃初めて、自分の意思でスカートを買いました。

今でも忘れない、父に頼んで車で行ってもらったしまむら(私の地元は中途半端に都会なので近くにしまむらがない)で売っていた、膝上くらいのデニムっぽいティアードスカートです。高校生になるまでずっと着ていました。

初めて私服でスカートを履いて、あ、わたし、意外と、女なのでは?と、じわりじわりと実感が湧いてきました。

 

そして、眉毛を整えることを覚えました。

ひどい奥二重の右目はメザイクで左目と同じ程度の奥二重にしました。

縮毛矯正をかけました。

中3の夏頃、通い始めた塾が同じだった男の子に、人生初めての告白をされました。

女に生まれて女らしい格好をすることには意義がある、と思いました。

 

 

高校に入ってからおよそ10年間、わたしは結局ほとんどの私服をスカートで過ごしています。

当時好きじゃなかったかわいらしいもの、女の子らしいもの、ファンシーなもの、ピンク、も、当時を取り返すかのように、ある種執着のように好きです。

男の子らしすぎる格好はしなくなりました。正確に言うとできなくなりました。

髪なり化粧なりシルエットなり服装なり靴なり、どこかのポイントで女らしさを出さないと、また間違えられるのではないかと思っている、のだと思います。

未だに、初対面の人に女だと認識されると少しふしぎな感覚になります。ああそうかこの人の中でわたしは女に見えているんだなーという、安心にも似たような。

 

わたしはこれから先も、かわいいものを存分に愛し、スカートを好み、女性らしさを大事にして生きていくと思います。おそらく一生。

あの小学生の頃の記憶は、言葉は、わたしにとって呪いですが、きっと私はその呪縛にまみれて生きることを望んでいます。